50万円のセンズリと1万円のセンズリ
山口がアダルト業界にダイヴした1番の理由は、大学1年の4月にバイトしたビデオ会社の社長の、この言葉です。
50万円払っても惜しくないセンズリもあれば、1万円も払いたくないセンズリもある。
めちゃくちゃ含蓄の深い言葉だと思いました。
そもそも、当時の山口には、男のセンズリに金を払う人がいる、ということ自体が驚きでした。福岡から出てきたばかりでしたし、福岡でそういう話を聞いたことがなかった。
東京ば凄か都市たい!と福岡の友だちにメールしたくらいです。
その社長の言葉がなければ、山口がアダルト業界に参入することはなかったと思います。それくらいに興味をそそる言葉でした。
50万円払っても惜しくないセンズリというのはどんなセンズリなのか。
思わずその時、社長に訊ねようとしましたが、ぐっと飲み込んだことを覚えています。聞いてしまったら面白くなくなる。自分で探したい、確かめたいと思ったんです。ちょうど大学受験が終わったばかりで、脳みそが「新たな目標」を欲していたのかもしれません。
その日から、山口はセンズリの虜になったのです。